2012年8月19日日曜日

太古の鼠ヶ関

 鶴岡市へ合併前(平成一七年(二〇〇五)十月一日合併)温海町(上巻)の地史と地質によれば、中新世後期の日本列島は、ほとんど海で、大小の島々が散らばっていた頃であったと言われている。鼠ヶ関の地層もそのなかにあった訳である。
 第四期の更新世の中期に入る頃には、日本列島全体が隆起し、第一間氷期から第三氷期を迎えるが、この時代からさらに後の更新世後期にかけて生存したナウマンゾウの臼歯化石が鼠ヶ関港から発見されている。しかも二個、つまり一対であるらしい。このうち、完新生(沖積世)になって,日本列島は現在の姿をほとんど完成し、この地域内にも各地に人類の活動の跡が知られるように、ヒトの歴史につながっていく。
 このナウマンゾウの臼歯化石は、現在鶴岡市致道博物館の老古資料室に保管されているが、その説明によれば、大正一一年(一九二二)頃に海底の岩の割れ目から拾い上げられたとあり、化石は付近の第四紀の地層から川の浸食などで運ばれたものと考えられるが、詳しいことは分からないとある。歯根の部分もよく保存されています。それは上から見ると形も大きさもワラジのようであるが、下には鋭い突起がツララのように並んでおり、手にもてばズシリとした石のような重さを感ずる。
 ナウマン象は、第四紀の更新世を代表する大型哺乳類で、約三〇万年―二万年前まで日本各地に生息していました。やまがたからもこれまで歯や骨の化石が七点見つかっているそうです。やまがたの大地をゾウがのし歩いていたことが分かります。(鶴岡市致道博物館資料説明から)
 ナウマンゾウの化石は、日本各地で発掘されており、大阪府の泉南郡岬町化石寺というお寺には、瀬戸内海の漁師たちの網にかかって引き揚げられたナウマン象の化石が四百点もあるそうです。そのほか、千葉県印旛沼や長野県野尻湖からも数多く発見されておるそうです。特に野尻湖から発見された化石は、第四氷期、約二万年前のものとみられ、北方系のオオツノヅカの化石などと一緒に発見されており、日本列島は、そのころ大陸と地つづきになっていて、ナウマン象や、マンモスが地上をのし歩き、それを追ってきたクロマニオン人が共存していた時代であったと推定されるそうです。
 ところで、昭和四四年に北海道忠類村の晩成地区で発掘されたナウマン象の化石は、周辺から発掘された昆虫や、花粉から意外な事実が判明し、これまでナウマン象の生きた時代は,二万年前と推定されていたが、その仮説をくつがえして,約三十万年以前のものと考えられるようになったのです。ナウマンゾウは、氷河期末の大幅な環境変化によってでなく、一万七〇〇〇年前頃の人類による狩りすぎで、絶滅に追い込まれたと言われている。
 ナウマン象と人や他の動物とのかかわりについては、まだまだ解明を待つ問題が山積しており、日本列島からいつか人類の祖先の発掘が発見される日がくれば、人とナウマンゾウとのかかわりや先史時代の姿がうかびあがってくることでしょう。

 参考文献:温海町史 上巻   別冊 温海町の自然
      ふるさとのなぞ()  関東/東北/北海道編  毎日新聞社
      一〇〇問一〇〇答 日本の歴史2 原始・古代  河出書房新社                  

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